小説

書評‐村上龍「歌うクジラ」-村上龍版「神曲」

電子書籍版のみの発行(書籍化予定あり)・価格が1500円という事で、物理的にも金銭的にもアクセスのしづらい「歌うクジラ」。ipadを購入してまで読む価値はあるかというと残念ながら首を傾げるが、アクセスが出来る環境にあればぜひ読みたい一冊。何せ村上…

書評‐平野啓一郎「ドーン」‐未来から現在への架け橋どーん!!

「決壊」を読み、あれ平野啓一郎っておもしろい?となり、「ドーン」で、ああ平野啓一郎って面白いんだ、と初めて実感した。処女作「日蝕」で平野作品を挫折した人は意外に多いんじゃないかと思う。ご他聞に漏れず僕も敬遠していた口だが、そんな挫折感を取…

書評-湊かなえ「告白」-嘘と本当の境目をよむという事

これを読んで、あらためて、告白って何なんだろうと思った。 本書は「告白」の表題のとおり、前編に渡り登場人物たちの告白によって物語が進んでいく全5章立て。彼らよって語られるそれぞれの告白は、新たな告白を呼ぶ。推理小説を思わせるその驚きとハラハ…